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Rice intake and type 2 diabetes in Japanese men and women: the Japan Public Health Center-based Prospective Study.

最終更新日:2012年5月30日

タイトル

米飯摂取量が多いと2型糖尿病発症リスクが高まる可能性がある(日本人女性)

著者

Nanri A, et al.

掲載誌

Am J Clin Nutr. 2010;92:1468-77(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):糖尿病・がん・循環器疾患等の既往のない日本人(総数59288人・男性43%・年齢45から74歳)
I(条件):米飯摂取第2・3・4四分位群
C(比較対照):米飯摂取第1四分位群
O(アウトカム):2型糖尿病発症リスクは?

研究方法

デザイン:コホート研究
盲検化:なし
追跡期間:5年間・追跡率:98%

結果

1103人が新規に糖尿病を発症した。女性では米飯摂取量が最も少ない(1日1杯強)群に比べて1日3杯および4杯以上の群でリスクがそれぞれ1.48倍・1.65倍に有意に上昇していた。男性では有意差がなかった。また、男女ともに筋肉労働や激しいスポーツをあまり行わない者において米飯の摂取による糖尿病発症リスクの上昇傾向が認められた。パン・麺類の摂取量に関しては関連性は観察されなかった。
オッズ比(米飯摂取量/日:中央値)米飯摂取第1四分位群第2四分位群第3四分位群第4四分位群
女性(p for trend 0.005) 1.00(165グラム) 1.15(315グラム) 1.48(420gグラム) 1.65(560グラム)
男性(p for trend 0.32) 1.00(280グラム) 1.24(420グラム) 1.25(560グラム) 1.19(700グラム)

コメント

複数の海外(米国・中国・コスタリカ)の観察研究で米飯摂取量と糖尿病発症リスクの正の関連が報告されているが、本研究は米飯を主食とする日本人を対象としている点で斬新である。男女差の機序が不明であり、糖尿病診断が自己申告である点で妥当性・一般性が低下するが、全般的疫学的知見から多量の米飯(白米)摂取は食物繊維やマグネシウム摂取の過少、高いglycemic indexを介して2型糖尿病発症と関連する可能性が示唆される。また、身体活動量が多い人では白米摂取との関連が見られなかったことより、白米摂取に伴う糖尿病リスク上昇の予防には運動が重要である可能性も示唆される。

備考

(*) Diabetes Care. 2009;32:2021-6 (http://www.ncgm-dmic.jp/public/articleInfoDetail.do?articleInfoId=380 など)
(**) Am J Clin Nutr. 2011;94:520-6.
(***)Am J Clin Nutr. 2011;94:543-51(中国では女性で有意なリスク低下を認めたが男性では認めなかった)

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