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Lifestyle modification and prevention of type 2 diabetes in overweight Japanese with impaired fasting glucose levels: a randomized controlled trial.

最終更新日:2012年5月30日

タイトル

生活習慣改善により空腹時血糖異常から2型糖尿病への進展を抑制する(肥満日本人)

著者

Saito T, et al.

掲載誌

Arch Intern Med. 2011;171:1352-60.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):空腹時血糖異常の肥満日本人(平均空腹時血糖値108ミリグラム/デシリットル・平均糖負荷後2時間血糖値134ミリグラム/デシリットル・平均BMI27.0・平均年齢49歳・男性72%)
I(治療):生活習慣改善頻回指導(4ヶ月ごと・311人)
C(比較対照):通常指導(1年ごと・310人)
O(アウトカム):2型糖尿病への進展のリスクは減少するか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:なし
追跡期間:36ヶ月・追跡率:87%

結果

食事療法アドヒアレンスは96%(頻回指導群)・97%(通常指導群)、運動療法アドヒアレンスは74%(頻回指導群)・70%(通常指導群)であった。頻回指導群では通常指導群より2型糖尿病への進展率が有意に低かった。 ITT解析では頻回指導群では5%以上の減量達成者が有意に多かった(32% vs 15%, p<0.001)。Per-protocol解析からは、頻回指導による腹囲・体重・空腹時血糖・負荷後血糖・総コレステロールの低下が示唆された。
アウトカム頻回指導群(発症数/100人年)通常指導群(発症数/100人年)調整ハザード比(95%信頼区間)絶対リスク低下
糖尿病罹患率 12.2%(4.2) 16.6%(5.8) 0.56(0.36から0.87) 1.6人/100人年

コメント

生活習慣改善指導介入による2型糖尿病発症予防のエビデンスは多数存在するが、いずれも耐糖能障害(食後高血糖)者を対象としたものであった。本研究は日本人を対象とし、空腹時血糖異常者を対象とし、比較的長期にフォローしている点で斬新である。また、空腹時血糖値は経口ブドウ糖負荷後血糖値や食後血糖値よりも測定される頻度が高い点で臨床上の実用性が高い。
ただし非肥満者への結果の敷衍性は不明である。また、本研究参加者の生活習慣改善介入へのアドヒアレンスは非常に高いが、実際の臨床現場での適用性は不明である。Per-protocol解析や後付けサブグループ解析はバイアスが大きく妥当性が低いため、それらの結果は割り引いて解釈する必要があることにも留意する。

備考

(*) Diabetes Care. 2009;32:2021-6(http://www.ncgm-dmic.jp/public/articleInfoDetail.do?articleInfoId=380 など)
(**) Am J Clin Nutr. 2011;94:520-6.
(***)Am J Clin Nutr. 2011;94:543-51(中国では女性で有意なリスク低下を認めたが男性では認めなかった)

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