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Comparison of registered and published primary outcomes in randomized controlled trials.

最終更新日:2011年11月11日

タイトル

主要医学誌掲載の臨床研究でもエンドポイントの中途改変が多い

著者

Mathieu S, et al.

掲載誌

JAMA. 2009;302:977-84(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(対象): 2008年にMEDLINEに収録された主要医学誌(高インパクトファクター10誌)に掲載された無作為化比較試験(循環器・膠原病・消化器領域・計323件)
I(条件):適切な登録がなされていた無作為化比較試験(RCT)
C(比較対照): -
O(アウトカム): 登録時と発表時のエンドポイントに相違はあるか?

研究方法

デザイン:システマティックレビュー

結果

研究計画が登録されていた323件のRCTのうち,適切な登録(試験終了前に登録,1次エンドポイント明記)が行われていたのは147件であった.そのなかで46件に登録時と発表時でエンドポイントの相違を認めた.さらに23件でエンドポイント改変による検定結果への影響が判定できたが,23件中19件で改変後に有意差が出ていた.
データ研究登録ずみ論文適切登録エンドポイント改変
件数(%) 323(100) 147(46) 46(31)

コメント

2005年付けでInternational Committee of Medical Journal Editorsは臨床試験の論文発表には事前登録をするよう義務づけた.しかしこの研究により,主要医学誌掲載論文でさえ適切な登録率が低い現状が判明した.さらに,エンドポイント中途改変も少なくない事実も鑑みると高エビデンスレベルとされるRCTでさえ盲信するのは危険なことがよくわかる(*).エンドポイントは標準療法の変化や有害事象の出現などによって改変を余儀なくされることもあるが,データ操作による有意差捻出のために「改ざん」された可能性も否定できない.
エビデンスの批評(批判的吟味)の重要さを指摘する研究である.

備考

(*)日本の臨床研究でのエンドポイント中途改変例
・JIKEI HEART Study (Lancet 2007;369:1431-9)
・J-DOIT3 (http://clinicaltrials.gov/archive/NCT00300976/2011_06_09/changes)

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