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Benefits of modest weight loss in improving cardiovascular risk factors in overweight and obese individuals with type 2 diabetes.

最終更新日:2011年9月5日

タイトル

5~10%の体重減少は肥満2型糖尿病患者の心血管リスクファクターを改善する可能性がある

著者

Wing RR, et al.

掲載誌

Diabetes Care. 2011;34:1481-6(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):肥満(BMI>25)の2型糖尿病アメリカ人(5145人・平均年齢59歳・男性41%・平均BMI36.0・平均HbA1c7.3%)
I(条件):中等度減量5から10%達成
C(比較対照):体重変化なし(-2から+2%)
O(アウトカム):心血管リスクファクターの違いは?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験

結果

Look AHEAD研究
)の観察的分析(副次解析)盲検化:なし追跡期間:1年間,追跡率95% 約40%の参加者が5%以上の減量を達成し,約20%の参加者が5から10%の減量を達成した.2%以上の体重増加者は約17%,体重変化-2から+2%の参加者は約30%であった. 減量率は血糖・血圧・中性脂肪・HDL-Cの改善度と相関を示したが,LDL-Cとの相関はなかった.中等度減量達成者はHbA1c0.5%低下・収縮期拡張期血圧各5mmHg低下・HDL-C5ミリグラム/デシリットル増加・中性脂肪40ミリグラム/デシリットル低下オッズ比が有意に高かった.5~10%体重減少者達成オッズ比(95%信頼区間)
    HbA1c0.5%低下 3.52(2.81から4.40)
    収縮期/拡張期血圧5mmHg低下 1.56(1.27から1.91) / 1.48(1.20から1.82)
    HDL-C5ミリグラム/デシリットル増加/中性脂肪40ミリグラム/デシリットル低下 1.69(1.37から2.07) / 2.20(1.71から2.83)

コメント

Look AHEAD研究(*)は,生活習慣是正強化法と通常法による減量効果の比較を主要評価項目とする無作為化比較試験である.母研究では1年間の強化療法後に平均8.6%の有意な減量(通常群では0.7%減量)を認め,さらに糖尿病・高血圧・脂質異常症治療薬の投与量の減少や血糖・収縮期拡張期血圧・中性脂肪・HDL-Cの有意な改善を認めた.今回の解析は,Look AHEAD研究を副次的に後付け解析したものである.この結果は,ガイドラインで推奨されている5から10%の減量効果を量的に評価している点や減量達成度も評価している点で臨床的意義は大きいが,解析デザイン上妥当性が高くないため,仮説提唱型(「可能性」)として結果を解釈することが重要である.
 また,長期影響や臨床アウトカム(大血管症発症率や死亡率など)や因果関係・交絡因子(薬剤など)が不明である点にも留意する必要がある.

備考

(*)Diabetes Care. 2007;30:1374-83

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