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Quality of diabetes care predicts the development of cardiovascular events: results of the AMD-QUASAR study.

最終更新日:2011年6月7日

タイトル

糖尿病診療の質スコアにより大血管症のリスクが予測可能

著者

Rossi MC, et al.

掲載誌

Diabetes Care. 2011 Feb;34(2):347-52.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(対象者):イタリアの2型糖尿病患者(新規発症を除く・5181人・平均年齢65歳・男性58%・平均HbA1c8.0%)
I(条件):診療の質スコア0-14点および15-25点
C(比較対照):スコア26-40点
O(アウトカム): 大血管症の発症リスクは増減するか?

研究方法

デザイン:コホート研究
追跡期間:28ヶ月間(中央値)・追跡率100%

結果

スコアは処置指標(HbA1c測定の有無など)と中間アウトカム指標(検査結果、症状など)から算出した.スコアが低値であると大血管症発症リスクが増加した.
リスクスコア26-40スコア15-25スコア0-14
発症率(/1000人年) 36.71 41 62.14
調整相対リスク 1 (基準) 1.17(0.93から1.49) 1.84(1.29から2.62)

コメント

診療の質の評価には,Donabedianが提唱する構造,過程,結果の側面があるが,測定が容易で介入可能な構造や目標となる中間アウトカムを用いて診療の質スコアが作成されることが多い.日本でもJ-DOIT2において8つの診療達成目標が定められるなど,糖尿病診療の質指標の作成が行われている.スコアで評価することで各施設,各医師の診療の質を評価・分析することができ,またスコアを上昇させるべく行う介入により実際に診療の質の上昇が見込まれるというメリットがある.一方,質スコアと最終アウトカム(心血管イベントなど)に関連がなければ質スコアとしての意味が少ないと言わざるを得ず,その関連を追究した点で本研究の臨床的意義は大きい.
しかし,年に1回もHbA1cなどの測定がない場合に軽症と予測して5点与えられるなど,処置と中間結果を併せてスコアが決められている中で,多層調整で2群の診療の質を比較できるのか,スコア方の妥当性と結果の一般性について疑問が残る.

備考

(*)Diabetes Care. 2007;30:1374-83

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