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National, regional, and global trends in serum total cholesterol since 1980: systematic analysis of health examination surveys and epidemiological studies with 321 country-years and 3・0 million participants.

最終更新日:2011年4月5日

タイトル

世界的に総コレステロールは増減傾向がない(日本は増加傾向)

著者

Farzadfar F, et al.

掲載誌

Lancet. 2011;377:578-586.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):世界各地の成人(25歳以上)
I(条件):最近10年間
C(比較対照):約30年前
O(アウトカム):総コレステロールの推移は?

研究方法

デザイン:世界各地の種々の疫学データからベイズ階層モデルにより平均収縮期血圧を推定
期間:1980年から2008年まで

結果

199カ国300万人のデータが集積された.2008年の年齢調整平均総コレステロールは男性181ミリグラム/デシリットル(95%不確実区間176から186),女性186ミリグラム/デシリットル(95%不確実区間180から191)であった.世界的な10年ごとの総コレステロール変化は男性で-3ミリグラム/デシリットル(95%不確実区間-6から0.4),女性で-3ミリグラム/デシリットル(95%不確実区間-7から1)であった.日本人(報告数31件,男性約113万人,女性約98万人)は男女とも増加傾向であった.
アウトカム1980年平均総コレステロール(不確実区間)2008年平均総コレステロール(不確実区間) 
日本人男性 187(178から196) 202(192から212) 日本人女性
188(177から199) 202(192から212)    

コメント

膨大なデータに基づき全世界的に総コレステロールはほぼ横ばいあるが日本では増加していることが示された.なお日本人の総コレステロール増加度はアジア他国の平均増加度より男女とも高かった.
この解析結果を解釈する際には次の点に留意する.各疫学データは国際的一斉調査ではないので調査法や国内地域差や調査回答率の点で妥当性が低かったり信頼性が低かったりする可能性がある.また,同一コホートを追跡していない点でも妥当性が高くはない.服薬率が不明である点やLDL-コレステロールではなく総コレステロールを評価している点でも医学的妥当性はやや低い.

備考

不確実区間と事後確率はベイズ階層モデル(成書参照)による区間推定であることに注意

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