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10-year follow-up of diabetes incidence and weight loss in the Diabetes Prevention Program Outcomes Study.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

DPPでの生活習慣改善による2型糖尿病の罹患率は低下は10年間持続した

著者

Diabetes Prevention Program Research Group

掲載誌

Lancet. 2009;374:1677-86.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):アメリカの肥満耐糖能障害者(DPP(*)開始時平均年齢55歳・男性32%)
I(治療):DPPにおける生活習慣改善介入群(1079人)またはメトホルミン群(1073人)
C(比較対照):DPPにおけるプラセボ群(1082人)
O(アウトカム):UKPDS終了後、両群同様の治療にて糖尿病合併症発症率に差が出るか?

研究方法

デザイン:2.8年間の無作為化比較試験(DPP)後の観察研究(88%が参加)
盲検化:なし
追加追跡期間:5.7年(中央値)・追跡率95%

結果

DPPでの糖尿病進展率は、プラセボと比較して生活習慣改善群で著明な低下を認めた。追加追跡期間中の糖尿病発症率はほぼ同等であったが10年間全体では生活習慣改善による進展低下は持続した(相対リスク低下34%)。メトホルミン群も同様の結果(10年間の相対リスク低下18%)であったが、生活習慣改善の方が効果が大きかった。
糖尿病罹患率(人/100人年(95%信頼区間))生活習慣改善メトホルミンプラセボ
DPP(2.8年間) 4.8(4.1-5.7) 7.8(6.8-8.8) 11.0(9.8-12.3)
追加観察期間(中央値5.7年間) 5.9(5.1-6.8) 4.9(4.2-5.7) 5.6(4.8-5.6)
全体(10年間) 5.3(4.8-5.8) 6.4(5.9-7.1) 7.8(7.2-6.8)

コメント

DPPでは生活習慣改善とメトホルミンによる糖尿病進展抑制効果を認めたが、その後、計10年に及びこの効果は持続した。この研究は、生活習慣の厳格な改善介入により糖尿病発症抑制効果は早期から出現して持続することと、その効果は薬剤予防投与よりも大きいことを示唆する点で臨床的意義が大きい。
他の多くの研究でも生活習慣改善の同様の効果を認めるが、この研究は盲検でなく、しかも後半では前半の結果が開示されていた点でバイアスの余地が大きいため割り引いて解釈する必要がある。また、対象者が糖尿病進展の高リスク者であることから、一般性があまり高くないことにも気をつける。

備考

(*)DPP. N Engl J Med. 2002;346:393-403.

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