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Day-to-day variation of insulin requirements of patients with type 2 diabetes and end-stage renal disease undergoing maintenance hemodialysis.

最終更新日:2011年5月13日

タイトル

血液透析後には基礎インスリン必要量が減少する可能性がある

著者

Sobngwi E,et al.

掲載誌

Diabetes Care. 2010;33:1409-12.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):血液透析中の2型糖尿病患者 (総数10人・平均年齢56歳・平均透析期間2.3年)
I(治療):維持透析後
C(比較対照):維持透析前
O(アウトカム):インスリン必要量は影響されるか?

研究方法

デザイン:前向き介入研究(グルコースクランプ法[正常血糖高インスリンクランプ法])
盲検化:なし
追跡期間:透析開始24時間前から透析終了24時間

結果

透析後にはインスリン必要量が約15.3%(p=0.09)減少した。基礎インスリン必要量は有意に減少した(p=0.01)。BUN変化はとンスリン必要量の相関は認めなかった(r=0.1,p=0.79)。
アウトカム透析前(標準偏差)透析後(標準偏差)p値
総インスリン量 23.6(7.7)IU/24h 19.9(4.9)IU/24h 0.09
基礎インスリン量 0.4(0.1)IU/24h 0.3(0.1)IU/24h 0.01
追加インスリン量 11.8(4.8)IU/24h 9.6(1.7)IU/24h 0.15

コメント

血液透析の前後でインスリン必要量が変動することは経験的に知られている。この研究は小規模であるが、グルコースクランプ法を用いて病態を解明した点が斬新である。一般に、透析前にインスリン抵抗性が増加するのは体液貯留による体重増加やBUNによる毒性が関与しているとされている。しかしこの研究ではBUNとインスリン必要量き関は認めなかったことから、別の機序が潜在している可能性がある。
この研究は規模が小さいだけでなく、インスリン投与法が皮下注射ではなく持続静脈投与である点や透析膜についての解析がない(透析膜によってインスリン除去率は異なる)点でも一般性に乏しいことに気をつける必要があるが、インスリン管理の評価項目を示唆する点で臨床的意義がある。

備考

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