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Effects of treatment in women with gestational diabetes mellitus: systematic review and meta-analysis.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

妊娠糖尿病の治療により肩甲娩出困難のリスクが減少する

著者

Horvath K, et al.

掲載誌

BMJ. 2010;340:c1395(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):妊娠糖尿病女性(妊娠26週以降)
I(治療):食事療法・インスリン治療
C(比較対照):経過観察
O(アウトカム):周産期合併症は減るか?

研究方法

デザイン:メタアナリシス(無作為化比較試験計5件・全2,999人・平均年齢26-33歳)
盲検化:なし
追跡期間:周産期まで

結果

治療により周産期合併症のうち肩甲娩出困難のみ有意にリスクが低下した(絶対リスク低下2.1%)。帝王切開・分娩時外傷・新生児死亡率・NICU管理のリスクは有意な低下を認めなかった。
また、通常療法群と強化療法群を比較した結果でも肩甲娩出困難のみ有意にリスクが低下した(絶対リスク低下2.9%)。
合併症試験数(人数)治療群対照群相対リスク低下(95%信頼区間)
帝王切開(治療群vs経過観察) 4(2357) 28% 31% 10%(-1から21)
肩甲娩出困難(治療群vs経過観察) 2(1961) 1.40% 3.50% 59%(24から78)
肩甲娩出困難(強化療法vs通常療法) 6(775) 1.40% 4.30% 68%(29から85)

コメント

このメタアナリシスにより、妊娠糖尿病治療によって周産期合併症のリスクが低下することが示され、妊娠糖尿病の診断と強化治療の意義が支持された。しかし、長期フォローアップの研究はなく、短期的にリスク低下を認めたのは肩甲娩出困難だけであった。他の合併症を評価するには長期的な研究が必要とされる。さらに、妊娠糖尿病を発症しないために妊娠前からの肥満・2型糖尿病の発症を予防することが重要であろう。

備考

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