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Diabetes Mellitus and the Risk of Cancer: Results From a Large-Scale Population-Based Cohort Study in Japan

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

糖尿病により発癌のリスクが増加する

著者

Inoue M, et al.

掲載誌

Arch Intern Med 2006;166:1871-77.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(対象者):40-69歳の日本人男女
I(条件):糖尿病あり(男性3097人・女性1571人)
C(比較対照): 糖尿病なし(男性43451人・女性49652人)
O(アウトカム): 全癌の発症リスクは増減するか?

研究方法

デザイン:コホート研究
追跡期間:平均10.7年間・追跡率99%

結果

男性の全癌の発症リスクは糖尿病によって有意に増加した。女性でも増加傾向が認められた。癌による糖尿病発症の可能性を否定するために追跡開始後5年間のデータを除外して解析した結果もほぼ同様であった。
男女別糖尿病患者での発癌率非糖尿病患者での発癌率調整ハザード比95%信頼区間
11.80% 8.10% 1.27 1.14-1.42
6.60% 4.90% 1.21 0.99-1.47

コメント

糖尿病の有無は自己申告に基づいているること、交絡因子として肥満(肥満そのものが癌のリスクファクター)や通院頻度(糖尿病患者は検査頻度が高い分、癌も発見しやすい)などが存在すること、癌の結果として糖尿病が発症した可能性が完全には否定できないことなどからバイアスが大きく、割り引いて解釈する必要がある。しかし日本人データのメタアナリシスでも同様の結果が示されており(*)、日本人糖尿病患者の死亡の主因は癌であるため、糖尿病診療においても癌予防・早期発見法の確立が重要となるであろう。

備考

(*) Noto H, Osame K, Sasazuki T, Noda M.Substantially Increased Risk of Cancer in Patients with Diabetes Mellitus -A systematic review and meta-analysis of epidemiologic evidence in Japan. J Diabetes Complications.In press.

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