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全世界を対象としたデータ解析の結果、糖尿病では癌が増加することが判明

糖尿病の方は糖尿病でない方と比べて癌になったり癌で死亡したりする可能性が高いことが以前から報告されてきています。しかし研究法法の違いや分析対象者のかたよりのために確実な研究はありませんでした。私達は論文として発表された研究結果を再分析することで精度の高い統合結果を出す研究をしています。続いて、全世界を対象としたデータ解析結果(英文医学誌に論文発表)を紹介します。

研究方法

2010年7月5日時点で英文誌に発表されていた糖尿病と癌の関連性に関する論文をデータベースから検索しました。その中から妥当性の高い研究を精選しメタアナリシスという統計手法で統合解析しました。メタアナリシスとは複数の研究結果をコンピュータを使用して一つの研究としてまとめ上げる分析手段です。

世界的な糖尿病と癌の関連性

糖尿病と発癌の関連性を報告した論文は12件あり、対象者総数257,222人のなかの約7%の人が癌を発症しました。糖尿病と癌死の関連性を報告した論文は19件あり、対象者総数152,091人のなかの約3%の人が癌で死亡しました。

私達の行った統合解析の結果、糖尿病では癌がわずかですが確実に増加することが判明しました(増加倍率:男女あわせて1.10,男性では1.14倍,女性では1.18倍)。また、癌死亡率も糖尿病の方ではそうでない方と比較して増加することが分かりました(増加倍率:男女あわせて1.16倍,女性では1.24倍,男性は増加傾向が示唆)。

解釈

糖尿病が世界的に急速に増加していることを考慮すると、癌リスクが軽度であってもその社会経済的負担は莫大であることが予測されます。日常診療においても研究においても糖尿病予防や効果的な癌早期発見法が重要な課題となるでしょう。

論文名

Noto H, Tsujimoto T, Sasazuki, T, Noda M: Significantly increased risk of cancer in patients with diabetes mellitus: a systematic review and meta-analysis.
Endocr Pract 17:616-628, 2011

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