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Liraglutide and Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes

最終更新日:2016年7月22日

タイトル

GLP-1受容体作動薬リラグルチドは心血管イベントを抑制する

著者

Marso SP et al.

掲載誌

N Engl J Med on line June 13, 2016(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):大血管症発症のリスクが高い2型糖尿病患者(全9340人・男性64%・平均年齢64歳・平均HbA1c 8.7%・平均BMI32.5kg/m2・81.3%が動脈硬化性疾患の既往ないし3期以上の慢性腎臓病を有す・平均糖尿病罹患歴12.8年)

I(治療):リラグルチド1日1回(1.8mgまで増量)追加投与(4668人)

C(比較対照):プラセボ追加投与(4672人)

O(アウトカム):心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中(複合エンドポイント)の発症リスクに相違があるか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験

盲検化:あり
追跡期間:3.8年(中央値)・追跡率99.7%・投薬中断率17%

結果

リラグルチド追加群では開始12ヶ月目からリスク低下を認め、試験終了時には有意な低下となった。

心血管死に有意差が出たが、非致死性心筋梗塞と非致死性脳卒中には有意差はなかった。
さらに全死亡リスクも15%有意に低下した。有害事象としては胆石・胆嚢炎が増加し、嘔気・嘔吐など消化管症状がより頻回に見られた。

低血糖も少なかった(血糖値56mg/dl以下:70.2回/100人・年 vs. 91.2回/100人・年(率比 0.80 (信頼区間 0.74~0.88))、重症低血糖 1.0回/100人・年 vs. 1.5回/100人・年(率比 0.69 (信頼区間 0.51~0.93)))。

アウトカム リラグルチド追加群 プラセボ追加群 相対リスク/絶対差 信頼区間、p値
複合エンドポイント 13.0% 14.9% 0.87/ -1.9% 0.78~0.97, p=0.01
心血管死 4.7% 6.0% 0.78/ -1.3% 0.66~0.03, p=0.02
非致死性心筋梗塞 6.0% 6.8% 0.88/ -0.8% 0.75~1.03, p=0.11
非致死性脳卒中 3.4% 3.8% 0.89/ -0.4% 0.72~1.11, p=0.30

コメント

  • 2型糖尿病患者でメトホルミン、エンパグリフロジンに続いて大血管症や死亡のリスクを有意に低下させることが実証された薬物になる。
  • 複合エンドポイントで、心血管死抑制の効果が大きいが、非致死性心筋梗塞・脳卒中も抑制傾向にある。
  • EMPA-REG OUTCOME試験に比べ、リスク低下が見られ始めるのは時間がかかる。HbA1c低下(0.4%)、体重減少(2.3kg)、収縮期血圧低下(1.2mmHg)はそれぞれ僅かだが心血管イベントリスク低下には貢献している可能性があるが、リラグルチドがどのように心血管イベントを抑制したのかは不明である。

  • 顕性タンパク尿も有意に低下していた(3.4% vs. 4.6% ハザード比0.74(信頼区間 0.60~0.92)。
  • 低血糖が少なかったことが、心血管イベント抑制につながった可能性はある。
  • 現在(2016年7月22日)、日本で使用できる最大量よりも多い量(平均1.78mg)のリラグルチドを使用している。
  • 参加者の大半が動脈硬化性疾患の既往がある(72.4%)。

備考

リキシセナチドを用いた大血管症2次予防の試験(ELIXA試験 N Engl J Med. 2015; 373: 2247-57)との比較を試みたくなるが、対象患者、観察期間、介入方法も異なり、単純な比較はできない。

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