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Linagliptin for patients aged 70 years or older with type 2 diabetes inadequately controlled with common antidiabetes treatments: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial.

最終更新日:2013年9月26日

タイトル

リナグリプチン追加投与は安全に血糖コントロールを改善する

著者

Barnett AH, et al

掲載誌

Lancet. 2013 Aug 12. pii: S0140-6736(13)61500-7. doi: 10.1016/S0140-6736(13)61500-7. [Epub ahead of print](PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者): 70歳以上の治療中2型糖尿病患者(ヨーロッパ人・全241人・男性糖尿病68%・平均年齢75歳・平均HbA1c7.8%・平均BMI30) 
I(治療):リナグリプチン5mg/日追加投与(162人)
C(比較対照):プラセボ追加投与(79人)
O(アウトカム):HbA1cに差異があるか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:あり
追跡期間:24週間・追跡率99%・服薬中断率9%

結果

リナグリプチン群はプラセボ群より有意にHbA1cが低下した.両群とも同程度の体重変化を認めた.低血糖を含む副作用や忍容性は両群間で有意差を認めなかったが,SU薬併用の場合はリナグリプチン群の方が低血糖頻度が高かった(30.5% vs 16.3%).
アウトカムリナグリプチン群プラセボ群変化差/オッズ比信頼区間,P値
HbA1c変化 -0.61% 0.04% -0.64% -0.81~-0.48, p<0.0001
体重変化 -0.2kg -0.6kg +0.4kg 記載なし
低血糖頻度 24.10% 16.50% 1.58 0.78~3.78, p=0.2083

コメント

高齢者は 臨床試験の対象から除外されることが多い.高齢2型糖尿病の妥当な血糖コントロール目標値・治療薬に関するエビデンスはなかったため,本研究の臨床的意義 は注目に値する.追加薬としての研究ではあるが,メトホルミンやSU薬は高齢者では乳酸アシドーシスや低血糖のリスクが増加して使用しにくいため,安全性 の点でDPP-4阻害薬が高齢者の初期治療薬としてgood optionであることが示唆される.
ただし,長期的効果・安全性・最適コントロール値が未解決であること,著者・解析者に試験薬の製薬会社員が含まれていることなどから割り引いて解釈する必要がある.

備考

リナグリプチンとの併用可能薬については「糖尿病標準診療マニュアル」を参照 http://www.ncgm-dmic.jp/doc/diabetes_treatment_manual.pdf

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