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Basal insulin and cardiovascular and other outcomes in dysglycemia.

最終更新日:2012年9月26日

タイトル

基礎インスリン治療による大血管症リスクは有意差がない

著者

ORIGIN Trial Investigators

掲載誌

N Engl J Med. 2012;367:319-28.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者): 大血管症リスクの高い糖代謝異常者(全12537人・男性糖尿病65%・平均年齢64歳・耐糖能異常12%・大血管症既往59%・HbA1c中央値6.4%) 
I(治療):基礎インスリンによる血糖コントロール(空腹時血糖目標値≦95mg/dl:6264人)
C(比較対照):標準療法(6273人)
O(アウトカム):大血管症および心血管死の発症リスクに相違があるか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:なし
追跡期間:6.2年(中央値)・追跡率99%・基礎インスリン中断率19%

結果

介入群(到達HbA1c6.2%・インスリン投与量0.4u/kg)と対照群間(到達HbA1c6.5%・インスリン導入率11%)で大血管症のリスクに有意差を認めなかった.また,細小血管症・総死亡リスクにも有意差がなかった.体重変化(中央値)は+1.6kg vs -0.5kg であった.発がんリスクに有意差はなかった.
 治療中止3ヶ月後の非糖尿病患者間での糖尿病新規発症率は30% vs 35%(オッズ比0.80,CI 0.64-1.00)であった.
アウトカム基礎インスリン標準療法ハザード比信頼区間,p値
大血管症および心血管死 2.94/100人年 2.85/100人年 1.02 0.94~1.11,p=0.63
重症低血糖 1.00/100人年 0.31/100人年 - p<0.001
発がん 7.60% 7.60% 1 0.88~1.13,p=0.97

コメント

UKPDSではインスリン治療による血糖厳格コントロールの結果,大血管症リスクが低下することが示唆されたものの,理論的には高インスリン血症は動脈硬 化およびそれに起因する大血管症のリスクを高める可能性は完全には否定されていなかった.また,高インスリン血症が発がんリスクを高める可能性が近年着目 されている.そのため,本研究はインスリンが両者に対してニュートラルな効果を持つことを示した点で臨床的意義が大きい.ただし両者のリスクを低下させる 作用を有するメトホルミン使用率が高かったため,インスリンの悪影響が相殺された可能性は否定できない.また,血糖降下作用が強い反面,低血糖リスク増加 や体重増加をきたしやすいことがあらためて示された.
本研究はインスリンの効果・副作用を評価することが主目的である.両群間で大血管症・細小血管症のリスク低下を認めなかったのは,血糖コントロール基礎 値が良好であったこと,非糖尿病患者も含んでいたこと,到達血糖コントロール差が僅少であったことなどに起因すると考えられる.

備考

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