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Risk of cardiovascular disease events in patients with type 2 diabetes prescribed the glucagon-like peptide 1 (GLP-1) receptor agonist exenatide twice daily or other glucose-lowering therapies: a retrospective analysis of the LifeLink database.

最終更新日:2011年9月5日

タイトル

エキセナチドは他の血糖降下薬より大血管症予防効果が大きい可能性がある

著者

Best JH, et al.

掲載誌

Diabetes Care. 2011;34:90-5.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):アメリカの2型糖尿病成人患者(全383525人・心筋梗塞既往者40387人)
I(治療):エキセナチド服用者(21754人・男性44%・平均年齢53歳)
C(比較対照):エキセナチド非服用者(361771人・男性52%・平均年齢53歳)
O(アウトカム):大血管症発症率に差はあるか?

研究方法

デザイン:保険会社データベースを利用した患者-対照研究(propensity-score matchingあり)
盲検化:なし
追跡期間:4年間

結果

大血管症リスクはITT解析の結果,エキセナチド服用者は他の血糖降下薬服用者より有意に低かった(ハザード比0.86,p<0.001).
Propensity-score matchingの結果,大血管発症率・全入院率ともエキセナチド服用者のほうが有意に低かった(表).
アウトカムハザード比95%信頼区間p値
大血管症 0.81 0.68~0.95 0.01
大血管症関連入院 0.88 0.79~0.98 0.02
全入院 0.94 0.91~0.97 <0.001

コメント

本研究は,エキセナチドの臨床アウトカムを検討している点が斬新である.観察研究であるもののpropensity-score matchingをしているため一般の患者-対照研究より妥当性が高いが,後ろ向き研究であり,完全には交絡因子を調整することが不可能である(confounding by indicationの残存).また,保険会社データベース解析であるため患者層のバイアスが大きく一般性に乏しい可能性が高い.エキセナチドの大血管症予防効果の可能性が示唆されるものの,この研究だけで有効性を結論づけるのは不十分であろう.

備考

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