メニューにジャンプ コンテンツにジャンプ

トップページ > 医師・医療スタッフの方へ > EBM論文情報

Mortality and cardiovascular risk associated with different insulin secretagogues compared with metformin in type 2 diabetes, with or without a previous myocardial infarction: a nationwide study.

最終更新日:2011年8月1日

タイトル

レパグリニドはメトホルミンと同程度の大血管症および死亡率低下効果を持つ可能性がある

著者

Schramm TK, et al.

掲載誌

Eur Heart J. 2011 Apr 6. [Epub ahead of print](PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):デンマークの2型糖尿病成人患者(全107806人・心筋梗塞既往者9607人)
I(治療):レパグリニド単剤服用者(1次予防:2513人・男性58%・平均年齢58歳,2次予防:186人・男性70%・平均年齢68歳)
C(比較対照):メトホルミン単剤服用者(1次予防:22067人・男性51%・平均年齢53歳,2次予防:2906人・男性73%・平均年齢66歳)
O(アウトカム):大血管症および死亡率に差はあるか?

研究方法

デザイン:コホート研究(propensity-score matching)
盲検化:なし
追跡期間:3.3年間(中央値)・追跡率:100%

結果

1次予防・2次予防とも全死亡率・大血管発症率の点でレパグリニドはメトホルミンと同程度の予防効果を示した.他のグリニド薬は分析されていない.
アウトカム1次予防 発症率1次予防 ハザード比(対メトホルミン)2次予防 発症率2次予防 ハザード比(対メトホルミン)
大血管症 5.50% 0.87 (0.49~1.54) 15.10% 1.10 (0.67~1.82)
全死亡 5.90% 1.00 (0.78~1.29) 14.00% 1.15 (0.68~1.98)

コメント

本研究は,複数のインスリン分泌促進薬の臨床アウトカムを比較検討している点が斬新である.今までグリニド薬は予防効果のエビデンスがなかったが,本研究で1次予防・2次予防とも差異が認められたことは臨床的に興味深い.
観察研究であるもののpropensity-score matchingをしているため妥当性が高いが,完全には交絡因子を調整することが不可能である(confounding by indicationの残存)ことと,レパグリニド服用者数が少ない(信頼区間が広い)ことが指摘されるため,若干割り引いて解釈する必要がある.

備考

このページに関するアンケート

Q1 あなたの年代を教えてください。
Q2 あなたの性別を教えてください。
Q3 あなたと「糖尿病」のかかわりを教えてください。
Q4 このページの情報は分かりやすかったですか?
Q5 このページに対するご意見をお聞かせください。

個人のご病気などについてのご質問やご連絡先などの個人情報に関するご記載はしないでください。こちらにご記載頂いた内容についてはご返答致しません。予めご了承ください。