メニューにジャンプ コンテンツにジャンプ

トップページ > 医師・医療スタッフの方へ > EBM論文情報

Glycaemic control with liraglutide: the phase 3 trial programme.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

リラグルチドによる血糖コントロールは安全で効果的である

著者

Raskin P, et al.

掲載誌

Int J Clin Pract Suppl. 2010;64:21-7.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):2型糖尿病患者
I(治療):リラグルチド皮下注射追加(1.2mg/日または1.8mg/日)
C(比較対照):他糖尿病治療薬またはプラセボ
O(アウトカム):血糖管理に差があるか?

研究方法

デザイン:リラグルチド第3相試験(無作為化)のレビュー(6件)
盲検化:なし
追跡期間:-52週

結果

リラグルチドによりHbA1cは最大1.5%低下し、他剤よりも効果が有意に大きかった(シタグリプチン-0.9%、グリメピリド-0.5%、ロシグリタゾン-0.4%、インスリングラルギン-1.1%、エキサナチド-0.8%)。この効果は52週まで持続した。深刻な低血糖はまれで、スルホニル尿素薬との併用でのみ発生した。吐き気の副作用が最も頻度が高かったが、数週後には自然軽快した。
アウトカムリラグルチド 1.2mg/日リラグルチド 1.8mg/日他剤プラセボ
HbA1c変化 -1.5~-0.97% -1.5~-1.1% -1.3~-0.4% -0.5~0.2%
空腹時血糖変化 -40~29mg/dl -43~18mg/dl -32~-11mg/dl -7~18mg/dl
低血糖大発作 0.00~0.01/人年 0.00~0.06/人年 0.00~0.02/人年 0.00/人年

コメント

この文献レビューではリラグルチドの血糖降下作用の有効性と安全性が確認された。リラグルチドは低血糖を来しにくく、体重減少や高圧効果も期待されている。急性膵炎のリスク増加もなかった。
ただし、皮下注射というデメリットが伴うことや研究期間が最長52週であるため長期的な効果は未知数であることから、現段階では初期投与薬としては挙げられないであろう。なお、各研究の妥当性は高いが、論文作成に製薬企業の支援があるため割り引いて読むことが重要である。

備考

この論文投稿時にはリラグルチド単剤投与はアメリカで認可されていなかったたため、単剤での効果はレビューに含まれていない。

このページに関するアンケート

Q1 あなたの年代を教えてください。
Q2 あなたの性別を教えてください。
Q3 あなたと「糖尿病」のかかわりを教えてください。
Q4 このページの情報は分かりやすかったですか?
Q5 このページに対するご意見をお聞かせください。

個人のご病気などについてのご質問やご連絡先などの個人情報に関するご記載はしないでください。こちらにご記載頂いた内容についてはご返答致しません。予めご了承ください。