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Secondary prevention of macrovascular events in patients with type 2 diabetes in the PROactive Study (PROspective pioglitAzone Clinical Trial In macroVascular Events):a randomised controlled trial.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

ピオグリタゾンによる心血管イベント二次予防は無効

著者

Dormandy JA, et al.

掲載誌

Lancet 2005;366:1279-89.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):心血管疾患の既往がある2型糖尿病患者
(平均HbA1c 7.9%・平均年齢62歳・男性66%)
I(治療):ピオグリタゾン(15-45mg/day)投与 (2605人)
C(比較対照):プラセボ投与(2633人)
O(アウトカム):心血管イベント再発は減るか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:あり
追跡期間:平均34.5ヶ月・追跡率:99%

結果

ピオグリタゾンは心血管イベント再発を低下させなかった。
到達HbA1cはピオグリタゾン群のほうが0.5%低値であった。
アウトカムピオグリタゾン投与プラセボ投与ハザード比95%信頼区間/p値
下記のいずれか(複合エンドポイント) 総死亡 非致死性心筋梗塞 (無症候性心筋梗塞を含む)  脳卒中 下肢切断 急性冠症候群(ACS) PCIまたはCABG 下肢血行再建術 19.70% 20.00% 0.9 0.80~1.02p=0.095

コメント

この PROactive Studyは1次エンドポイントで有意差を認めなかった「ネガティブスタディ」であり、ピオグリタゾンによる抗動脈硬化作用は臨床的に実証されなかった。一方、2次エンドポイントは仮説を実証するものではなく仮説を提唱する「オマケ」にすぎない(*)。この研究では有意差を認めたとされる2次エンドポイント(略)がこじつけられて解釈されることが多いが、それは朝三暮四である(**)。「エビデンス」を盲信しないことが重要である。

備考

(*)山崎力.医学統計ライブスタイル.SCICUS.2009年.
(**)能登洋.やさしいエビデンスの読み方・使い方.南江堂.2010年.

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