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Risk factors for coronary artery disease in non-insulin dependent diabetes mellitus: United Kingdom Prospective Diabetes Study (UKPDS: 23)

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

糖尿病患者での冠動脈疾患リスクファクターの第一は高LDL-コレステロール血症である

著者

Turner RC, et al.

掲載誌

BMJ. 1998;316:823-8.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):冠動脈疾患既往のない2型糖尿病新規発症のイギリス人(2693人・平均年齢52歳・男性58%)
I(条件):古典的冠動脈疾患リスクファクターあり
C(比較対照):各リスクファクターなし
O(アウトカム):冠動脈疾患発症の相対リスクはどのくらいか?

研究方法

デザイン:コホート研究(Cox比例ハザードモデル・stepwise選択法)
追跡期間:7.9年間(中央値)

結果

335人が冠動脈疾患を発症した。寄与度の大きいリスクファクターは、高LDL-C血症・低HDL-C血症・高血圧・高血糖・喫煙の順であった。(喫煙のハザード比は1.41[95%信頼区間1.06から1.88])。
寄与度(第1三分位 vs 第3三分位)LDL-CHDL-C(逆数)血圧血糖(HbA1c)
ハザード比 2.26 1.82 1.82 1.52
95%信頼区間 1.70から3.00 1.37から2.44 1.34から2.47 1.15から2.01

コメント

リスクファクターの寄与度は相対リスク(ハザード比)で判定する。P値は相対リスク値の確実性(再現性)であり、P値で順位を決めるのは誤りである。この妥当性の高い分析で、糖尿病における有効な冠動脈疾患予防介入の第一ターゲットとして高LDL-C血症管理が示された。事実、スタチン投与による予防効果は多くの大規模研究で実証されている。一方、高血糖の寄与度は比較的低いが、実際近年の介入研究の結果でも血糖降下による予防効果は著明ではない。冠動脈疾患リスクファクター管理対象として血糖以外にも重点を置くことが重要である。

備考

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