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Cardiac outcomes after screening for asymptomatic coronary artery disease in patients with type 2 diabetes: the DIAD study: a randomized controlled trial.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

無症状2型糖尿病患者に対する心筋シンチグラム検査(スクリーニング)は無効

著者

Young LH, et al.

掲載誌

JAMA. 2009;301:1547-55.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):冠動脈疾患症状のない北米の2型糖尿病患者(平均年齢61歳・男性53%・心電図異常者や負荷心電図適応者は除外)
I(検査): アデノシン負荷心筋シンチグラムによるスクリーニング(561人)
C(比較対照): スクリーニングなし(562人)
O(アウトカム): 心臓死または非致死的心筋梗塞発生率が低下するか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:なし
追跡期間:平均4.8年間・追跡率93%(Intention-To-Screen解析)

結果

無症候性心筋梗塞有病率は約20%だった。
心血管イベント発生率は低下しなかった。

アウトカムスクリーニング有りスクリーニング無し相対リスク絶対リスク差
心臓死または非致死的心筋梗塞 2.70% 3.00% ハザード比 0.88  (95%信頼区間 0.44~1.88, p= 0.73) 0.30%

コメント

2型糖尿病患者は冠動脈疾患のリスクが高く、無症候性のことも多い。しかし無症状患者に対するスクリーニングとして心筋シンチグラムを施行しても、その後の冠動脈疾患の発症率が有意に低下しなかった。この研究は盲検でない分割り引いて読む必要があるが、診断後の管理は日常の診療方針に委ねているため結論の現実への適用性が高いことが特長である。現行の標準的診療(内科的厳格治療)を提供している限り、予後や診療管理法が変わらないので心筋虚血スクリーニング検査をルーチンに行うことは推奨されない。

備考

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