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Encounter frequency and serum glucose level, blood pressure, and cholesterol level control in patients with diabetes mellitus.

最終更新日:2013年8月8日

タイトル

糖尿病患者は受診頻度が高いほど血糖・血圧・脂質の目標達成までの期間が短くなる可能性がある

著者

Morrison F, et al.

掲載誌

Arch Intern Med. 2011;171:1542-50(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):アメリカの大学関連病院でプライマリケア医から糖尿病診療を受けている糖尿病患者(総数26496人・男性47%・年齢59歳・平均HbA1c 7.3%・平均血圧130/75mmHg・平均LDL-C101ミリグラム/デシリットル)
I(条件):1-2週ごとの受診者
C(比較対照):3-6ヶ月ごとの受診者
O(アウトカム):HbA1c<7.0%・BP<130/85mmHg・LDL-C<100ミリグラム/デシリットルの目標達成までの期間に差異があるか?

研究方法

デザイン:後ろ向きコホート研究
追跡期間69ヶ月(平均値)

結果

頻回受診者のほうが各目標値達成までの期間が有意に短かった.再診までの期間と各目標値達成までの期間には正の相関を認めた(期間倍増ごとの延長率:血糖35%[インスリン非使用者]・血圧87%.脂質27%).
アウトカム1-2週ごとの受診者3-6ヶ月ごとの受診者p値
HbA1c<7.0%達成までの期間(中央値):インスリン非使用者 4.4ヶ月 24.9ヶ月 <0.001
BP<130/85mmHg達成までの期間(中央値) 1.3ヶ月 13.9ヶ月 <0.001
LDL-C<100ミリグラム/デシリットル達成までの期間(中央値) 5.1ヶ月 32.8ヶ月 <0.001

コメント

糖尿病診療の受診頻度を推奨している診療ガイドラインは国内外ともにない.経験的・理論的には明白な結果ではあるが,定量分析した点で斬新である.医療システムは日米で大きく異なるため,本研究の結果をそのまま日本の診療に適用することはできないが適切な診療方針を探求する上で参考になる研究であろう.
ただし,本研究は後ろ向き観察研究であるためバイアス(特に選択バイアス)が大きく因果の逆転の可能性もあるため,因果関係を立証できない点に留意する必要がある.実現性や医療費を含め,介入研究でないと効果は究明できない.

備考

*Diabetologia 2011;54:1620, Arch Intern Med 2004;164:1641
**Arch Intern Med 2011;171:1990,2001,2011
***JAMA 2006;296:427, CMAJ 2011;183:E115, Med Care Res Rev 2011;68:263

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