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Effects of medical therapies on retinopathy progression in type 2 diabetes.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

血糖・脂質の厳格な管理により糖尿病網膜症進行が抑制できる可能性がある

著者

ACCORD Study Group

掲載誌

N Engl J Med. 2010;363:233-44.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):増殖性網膜症のない2型糖尿病患者
 (平均HbA1c 8.2%・平均年齢62歳・男性62%)
I(治療):血糖・血圧・脂質の強化療法
C(比較対照):標準療法
O(アウトカム):糖尿病網膜症の進行は抑制されるか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:なし
追跡期間:4年・追跡率:82%

結果

血糖・脂質の厳格な管理(HbA1c <6.0%、シンバスタチンとフェノフィブラートの併用)により網膜症の進行は抑制されたが、血圧の厳格な管理(収縮期圧 <120mmHg)では抑制されなかった。
管理項目強化療法群での進行率標準療法群での進行率調整オッズ比95%信頼区間/p値
血糖(HbA1c <6.0% vs 7.0-7.9%) 7.30% 10.40% 0.67 0.51から0.87/p=0.003
脂質(シンバスタチン+フェノフィブラート vs シンバスタチン+プラセボ) 6.50% 10.20% 0.6 0.42から0.87/p=0.006
血圧(収縮期圧 <120mhg vs="" 140mmhg="" td="">) 10.40% 8.80% 1.23 0.84から1.79/p=0.29
"

コメント

UKPDSで実証されたように、厳格な血糖管理により糖尿病網膜症の進行は抑制されることが示唆された。斬新な結果として、機序は不明だがスタチンとフィブラートの併用によって網膜症の進行が抑制されることが示唆された。併用による横紋筋融解症のリスク増加はなかった。
血圧に関しては、厳格な管理によって網膜症の減少を認めたUKPDSと異なり、有意差を認めなかった点が注目に値する。UKPDSでは両群の目標値が<150mmhg vs="" 180mhg="" accord="" 120mhg="" 140mmhg="" ukpds="" br="">いずれの比較結果も、二次エンドポイント(=仮説を提唱するオマケ)であるため、無作為化比較試験等での追試が必要である。

備考

(*)Pepine CJ, et al. A Calcium Antagonist vs a Non-Calcium Antagonist Hypertension Treatment Strategy for Patients With Coronary Artery Disease: The International Verapamil-Trandolapril Study (INVEST): A Randomized Controlled Trial. JAMA, Dec 2003; 290: 2805 - 2816.
(**)ACCORD Study Group. Effects of intensive blood-pressure control in type 2 diabetes mellitus. N Engl J Med. 2010;362:1575-85.

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